モジュールを使ってみよう
今日は、モジュールの話をしてみます。Perl5といえば、最強のライブラリ群CPANのおかげでたいていのことはちょちょいと簡単に書けてしまうすばらしい言語ですね。Perl6はどうなんでしょう?
どこにある?
まず、どこにあるのか探してみましょう。Perl5ではライブラリは@INCに入っているパスにありました。
$ perl -E 'say $_ for @INC' /home/danjou/perl5/perlbrew/perls/perl-5.12.2/lib/site_perl/5.12.2/x86_64-linux /home/danjou/perl5/perlbrew/perls/perl-5.12.2/lib/site_perl/5.12.2 /home/danjou/perl5/perlbrew/perls/perl-5.12.2/lib/5.12.2/x86_64-linux /home/danjou/perl5/perlbrew/perls/perl-5.12.2/lib/5.12.2 .
こんな感じでしたね。Perl6だと、
$ perl6 -e 'say $_ for @*INC' /home/danjou/.perl6/lib /home/danjou/tmp/rakudo-star-2010.11/install/lib/parrot/languages/perl6/lib .
こんな感じ。「@INC」だったのが「@*INC」になってますね。それ以外は大差ないコードで調べることができました。 では、この3つのパスはなんなのか、というと、
- $HOME/.perl6/lib
- これは自分のホームディレクトリ以下に入れるモジュールが入る場所です。ぜひここを肥やして便利なPerl6ライフを送りましょう。
- install/lib/parrot/languages/perl6/lib
- これはrakudo-starをインストールしたときに入った、デフォルトでついてくるモジュールが入っている場所です。あとで詳しくのぞいてみましょう。
- .
- これはカレントディレクトリですね。
追記
#per6@freenodeで読んでもらったら、
$ perl6 -e '.say for @*INC'
のほうがよくね?と言われました。こっちの方がperl6っぽいですね!
どんなのがある?
ではinstall/lib/parrot/languages/perl6/libをのぞいてどんなのがあるか見てみましょう。
$ cd ~/tmp/rakudo-star-2010.11/install/lib/parrot/languages/perl6/lib $ ls Algorithm Form MIME MiniDBI.pm6 SVG.pm YAML Config Form.pir Math Module Term YAML.pir Configure.pir Form.pm MiniDBD NativeCall.pir Test YAML.pm Configure.pm HTTP MiniDBD.pir NativeCall.pm6 Test.pir Digest JSON MiniDBD.pm6 SVG Test.pm File LWP MiniDBI.pir SVG.pir XML
ほほう。意外にもいろいろあるような気がしますね!ここでわかるのは
- モジュールはやっぱりTest.pmのように.pmという拡張子をつかう
- MiniDBI.pm6のように.pm6拡張子もいいらしい
- MiniDBI.pirってなんだろう?
.pirは気になりますね。なんでしょう。
$ head MiniDBD.pir .loadlib 'perl6_ops' .HLL "perl6" .namespace [] .sub "_block74" :anon :subid("73_1291954984.02617") .param pmc param_278 :slurpy .annotate 'line', 0 .const 'Sub' $P79 = "74_1291954984.02617" capture_lex $P79
MiniDBD.pirファイルの先頭の10行をのぞいてみました。なんだこれ。私たちが知っているPerl的なものとはどうも様子が違いますね。やってることは何となく想像できますけど、これはちがう。これはParrotという別の言語のファイルでした。
Perl6はParrot仮想マシン上で動いています。なので、これはPerl6の下のParrotで動作するファイルのようです。イメージとしてはPerl5におけるXSモジュール、のような立場ではないでしょうか。Perl6のコードをParrotにコンパイルしたもので、実際にはこのコードが実行されることになります。 Perl6とParrotの関係についてはcharsbarさんによるモダンPerlの世界へようこそ 第14回 Rakudo:実装する方法だってひとつではないのですを読んでいただくとよいと思います。
つかってみよう!
では早速使ってみようと思います。先ほどみたlsの結果にはLWPというディレクトリがありましたね。ということは!httpクライアントがいそうな気がします。
$ ls LWP Simple.pir Simple.pm
お、ありましたありました。LWP::Simpleですね。JSONというのも気になります。
$ ls JSON Tiny Tiny.pir Tiny.pm
JSON::Tinyというのが使えそうです。では、早速書いてみましょう。
#!/usr/bin/env perl6 # fetch_tweet.pl use v6; use LWP::Simple; use JSON::Tiny; sub MAIN ($screen_name) { my $str = LWP::Simple.get( "http://api.twitter.com/1/statuses/user_timeline.json?screen_name=$screen_name&count=1" ); my $data = from-json($str); say $data.[0].<text>; }
今回書いたのは、指定されたユーザーのtwitterタイムラインから最新の1件を取得して表示するプログラムです。すごい実用的じゃないですか。Perl6でかけるんですよ!すばらしい。
実行してみましょう!
$ perl6 fetch_tweet.pl Usage: fetch_tweet.pl screen_name $ perl6 fetch_tweet.pl lopnor 4日め書いてる
みごとに動きました!